人はなぜ、自殺をするのか?

私自身も九安と名乗る前、18歳のころ2年連続で大学入試に落ちて生きる希望を失い、自殺を考えたことがあります。そのときは、絶望感、孤独感、寒々とした心境、死への恐怖、この世への未練など、とても苦しい経験を持っています。今思えば、あのまま死んでいても不思議ではありませんでした。「どうぜ人間は、いつかは死ぬのだから、このまま生きていても仕方がない」。結局のところ「死んだら楽になる」と思っていたのです。つまり、死後の世界などは存在せず、すべてがゼロの状態になると考えていたのです。しかし、そのことが間違いだとわかったのは、それから8年も後のこと。見性体験(仏教体得)までは、確信は得られなかったのです。見性体験によって自分の命が楽土に臨みます。そのとき極楽浄土の存在が明らかとなり、同時に霊魂不滅という事実が確証できるのです。もし、本当に死後の世界がないのなら、生きていれば大なり小なり苦労をしますから、早く死んだ方が良いのかも知れません。第一、もしそうなら仏教は必要ありません。でも、仏法体得までには、それは苦労をしました。いえ、師や兄弟子に難儀をお掛けしました。今こそ、その御恩に少しでも報いることができればと。あのとき受験に失敗して良かったのです。

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