人間にとっては、最も基本的で根本的なテーマですが、仏教は明快に答えています。人間は、「この世」から「あの世」に生まれて行くために生まれてきた、と説かれています。
この世とは現世、今、あなたが生きている世界。あの世とは来世、あなたの死後の世界。来世には、浄土と地獄があると説かれています。「浄土と地獄があります」と断定せずに「説かれています」と述べたのは、それをあなた自身が、この世で認識して欲しいからです。逆説的ですが、もし死後の世界がないのなら仏教は必要ありません。誰もが避けることのできない死、そして、死後の世界があるからこそ、仏教は説かれています。さらに、この世で浄土に生まれるための行動が実践されなければ、浄土に生まれることはできません。そもそも誰もが漏れなく浄土に生まれることができるなら仏教は必要ない、ということになります。
あなたが、あなたの命の実体に目覚め、あなたの命の正体に気づき、あなたの命を知り得たとき、あの世から不思議な力、楽という味、仏力と言うパワーを体得することができるでしょう。そのとき、あなたの仏教は完成します。