「悟り」とは真理・真実を知ること、と辞書にあります。では、真理・真実とは何でしょうか?同じく、本当のこと、論理的に正しいこと、とあります。さらに、本当のこととは何でしょうか?……。あるいは、目覚めること、気づくこと、と示されることもあります。では、いったい何に目覚めることなのでしょう。
結論から申し上げると「悟り」とは人間の命、つまり、生命について知ること。生命に目覚めること、なのです。こう申し上げると「人間の生命は知ってる」と言われるでしょう。「こんなことが真実や真理と言うくらいなら誰も苦労はしない。子供でも知ってる。馬鹿々々しい!」と。
それでは、人間の生命はどこにあり、人間は何のために生まれて来たのか?という点についてはどうでしょうか。要するに、仏教は命について知らしめ、命について目覚めさせ、気づかせるための教えなのです。そして、あなた自身が、この世で自分の命の存在を確認し、その命を育み、来世へ誕生することを第一目的としています。