「師よ、お教えください。あなたは、私の悩みや不安を取り去り、この苦しみから解放することが出来るのでしょうか?」
「苦しかったでしょう。よく死なずに来てくれました。また、よく、殺されずに来てくれました。私には、あなたを助ける慈悲力があります。私は、それをあなたに与えます。あなたも私を信じ、よく求めて下さい。」
「師よ、お助け下さい!私は、何をしたら良いのでしょうか?」
「よく聞きなさい。今、この声を聞いているあなたの自意識と、現在生きているあなたの肉体とが別物であることを認識するのです」
「自我と肉体とは相互不可分で、分別不能ではないでしょうか?私の悩みの解決と直接関係ないように思われます」
「私も同じように感じていたのです。あの時、素直に師の教えに従っていたら、8年もの歳月をかけずにすんだでしょう」
「どうしたら自我と肉体とを分別して認識できるでしょうか?」
「私は念仏も唱えましたが、呼吸法によって体得したのです」
「呼吸法とは、どのように行うのでしょうか?」
「仏法は、あなたの自我を救うのではありません。あなたの自我によって苦しめられ、しいたげられている生命体、すなわち無我を救い、仏性に育むのです。呼吸法が成就したとき、あなたの肉体は仏法というパワーを受け取ることができるのです。そのとき、同時に自我も迷いから目覚め、自我も救われます。生命力を受持した肉体は、悩みや患いを克服することができるでしょう」